「頭は低く 目は高く 口慎んで 心広く 孝を原点として他を益す」
これは30年以上も前に亡くなられた大山倍達という空手の凄い先生の言葉です。
私がこの言葉を初めて目にしたのは高校生の時「月刊空手道」という雑誌の特集記事でした。
当時の私は、空手はもちろん殆ど運動もしておらず、部活は園芸部(帰宅部だったのが怖い先生に
半ば強制的に入部させられ、草取りや花壇の世話をしていた)で気が小さく、ひ弱な高校生…
ただ強さには密かな憧れを持っており、ブルース・リーやジャッキー・チェン、北斗の拳などが
大好きで、本や映像を見ては色々とマネをして想像の中では結構強い達人(のつもり)でした…
…そんな話しはどうでもよくて…、 でもそういった情けない高校生活の中で出会った言葉です。
その言葉を目にしてから、私の中で「強さ」の概念が少し変わり、
虚勢ではない内面の強さや自分に対しての厳しさ、人への優しさや思いやり、意識の持ちよう等、
いろいろと考えさせられたのを覚えています。
物覚えの悪い私が何故か、その言葉は忘れる事ができず、ずっと自分の中に在り続けています。
その数年後、怯えながらも憧れていた極真空手の門を叩き(想像の中の達人は瞬殺されました…)、
凄い先生や先輩たちの中で、怖さや痛みもあるリアルな体験に夢中になり、仕事や子育てが忙しく
休会期間もありながら、今も道場に通って何とか稽古を頑張っています。
でも、高校生だったあの時に感じた、そして考えた「強さ」に私は近づけているのだろうか…?
今の自分を改めて思い返してみると、
頭は低いかもしれないが、目線も低く…
口は多少慎んでいると思ってはいるが、心が狭く…
… … …
ほんとに恥ずかしい限りです…
「頭は低く 目は高く 口慎んで 心広く 孝を原点として他を益す」
かく在りたいと思いながら、そうでない自分に苦笑いの日々ですが、これからも忘れることなく
自分の指針にしていきたい大切な言葉です。
T.S