さる8月、福岡で開催された空手の大会(全九州空手道選手権大会)に中1の息子が出場した。
昨年は3回戦で敗退し、目をまっ赤にして悔し涙を流した大会…
今年は7月に東京で開催された学年・体重別の国際大会(カラテドリームフェスティバル)で
初優勝した後の大会であり、周りからの期待も大きく、本人も相当な努力をして臨んだ大会。
しかし結果は…、2回戦敗退…。
油断があった訳ではないが、試合が始まって約10秒…
不意をつくような相手の変則的な蹴りが顎に入り「技あり」を取られてしまう。
その後は頑張るもポイントを取り返すことができず試合終了…あっけなく負けてしまった…
言葉にできないほどの悔しさと恥ずかしさ、そして応援してくれた方達への申し訳なさと…
大きな会場の片隅で先輩に寄り添ってもらい、深くうなだれて落ち込む息子の姿があった…
(この悔しさを乗り越えて頑張ってほしい、色々な経験をして人としても成長してほしい…)
大会が終わり、福岡からの長い、長い帰り道、車を運転しながら息子といろんな話をした。
すでに息子の気持ちは前向きに変わっており、必ずリベンジすると誓っていた。
車が広島県に入ったころ、私は大好きなTHE ALFEEの「英雄の詩」を選曲し、
父親からのメッセージとして、車内に曲を流す…
♪ 夢に破れた瞬間 あの悔しさの中で 流した涙覚えてるかい?
思い通りにならなくても 自分らしくあれ 迷わずに生きるため
強くあれ! 強くなれ! 英雄(ヒーロー)になれ! ♪
曲のイントロが始まって約10秒…
息子は笑顔で私を見たあと、そそくさと自分が好きな別の曲へと変えてしまった…
… … 残念ながら曲を通しての父親からのメッセージが届くことはなかった…
だが親が思うよりも、子供はいろいろ考えていて、そして頑張っているようだ。
心配は多いが、子供の成長を信じて、見守っていきたいと思う。
でも、ちょっと…、寂しかった…
都甲 進一